結界。


先日、久しぶりに『茜』と口論になった。

 

わたしからしたら、いつものことを伝えたのだが、それが茜に通じない。

 

茜は、

「なんでそんな、わけのわからないことを言うの!」

と、言い出す。

 

わたしは、

「なんでこんなことが、急にわからなくなったの?」

と、返す。

それに茜は、さらにパニックに陥る。

 

・・あー。めんどくせ。

こんなのがわからないんなら、わたしの側にいてもお互いに苦しいだけだろ。。

 

と思うのだが、茜はどれだけパニックになっても、絶対にわたしから離れようとはしない。

普通なら、お互いにめんどくさくなる。

恋人や夫婦なら、それでも添い遂げたい気持ちも助け船になるのだろうが、わたしと茜は、そんな間柄でもない。

お互いに、お互いのレベルで、お互いの人生を歩めば良いのだ。

しかし、そんな風にはならない。

 

わたしの中では、基本的なコンサルは終了したと思っている。あとは、茜がそれをどう応用していくか。

そこはもう、茜の実力でもある。外の世界では、その実力はじゅうぶん通用している。なにもわたしに合わせる必要もない。いつでも、自由に自分の人生を歩めば良い。

だけど、そんな風にはならない。

 

 

そんな時、石畳乃癒のKさんから、

「いくちゃん、最近、結界のチカラが強くなってない?」

と、言われた。

 

わたしは、ハッとした。

 

Kさんが続ける。

「なんかね、最近ちょっと違うなー。なんでかなー?と思うことがあってね。すぐにはわからなかったんだけど、今朝、ピンと来たんだよね。『あれ?いくちゃん・・?』って。」

 

わたしは、茜との口論の話をしながら、

「もしかしたら、そのタイミングで、茜と口論になるのかも。わたしは、自分のことに気づいてなくて、当たり前に言ったことが、急に通じなくなってるような感覚なのだけど、茜からしたら、『急に、なに?なんで?』といつもとは違って感じてるのかもしれない。」

と、話した。

 

Kさんが、

「いくちゃんは強すぎるから、茜ちゃんはどうしようもできないよね。

だけどさ、茜ちゃんがいるから、いくちゃんは人間の勉強ができてるでしょ?

茜ちゃんはみんなの代表となって、いくちゃんに挑んでる。

茜ちゃんがいなかったら、いくちゃんは、本当に近寄りがたい存在になってしまってたかもしれないと、思ってるんだよね。」

と言われ、納得した。

 

 

2020年の後半から、わたしはスピリチュアルをやめようと思い始めた。

だけど同時に、キツネやヘビや、動物のことも勉強させられるようになった。

 

スピリチュアルをやめようと思った理由は、

「こんなの、なんの意味があるの?」

というもの。

自分の能力が落ちたとか、自分がどうこうではなく、人間にとって人間界にとって、なんの意味があるのか?という、超俯瞰して見た結果の、超冷酷な判断だった。

 

半年後、本当にやめようと行動を起こそうとしたときに、茜が現れた。

 

それから、地を這うような人間と向き合いながら、「人間とは」の答え合わせが始まった。

当たり前のこと、わかりきったこと、基礎基本的なこと、それが通じないという次元と向き合いながら、地を這うような人間と向き合う能力が、わたしにあるのか?わたしのやっていることは、この人間にとって本当に意味のあることなのか?と、常に自問自答していた。

 

ものすごくしんどい日々、それでも茜は逃げ出さなかった。だからこそ、わたしにとっての答え合わせも最後までできた。

 

超俯瞰して、超冷酷な判断をしてしまう前に、茜がすべり込んだことによって、わたしは、わたしのスピリチュアルを辞めずに、今に至る。

それは、わたしが人間と関わることを辞めなかった(諦めなかった)ということでもある。

 

Sちゃんが、いつもわたしのことを、

「普通は、気軽に話すことなんかできないレベル。」

と、評してくれるのも、わたしが、そうなりたいとか、そうしたいとか、そういうことではなく、おそらくわたしにとっては極自然なことで、ある意味、気を抜いたら(?)(俗世間と距離をとったら?)スッと、そのレベルに進んでしまうのかもしれない。

 

茜がわたしについて来れないわけではないのだろうけど、わたしのスピードが速すぎて、茜が理解するのに時間がかかるだけ。

茜が遅すぎるのではなく、『人間とは』そういうものだと、わたしに教えてくれている。

 

人間は、わかったフリをする。

その、表の顔も裏の顔も、茜が全部見せてくれていたのも確か。

 

 

Kさんが、続ける。

「いくちゃんがスッと進んでしまうタイミングで、茜ちゃんがストップをかけるというか、人間の方を見せようとしだすというか、そういうことなんだろうね。いくちゃんが何のために、人間界にいるのか?ってことよね!

だから、いくちゃん、ちょっと結界を緩ませて!笑」

 

 

自分の当たり前が、周りの当たり前ではないということの、超典型的な話なのかもしれない。

 

結界を張るにも、緩ませるにも、特別なことなどわたしには必要ない。それは、わたしの『意識』で成り立っている。