わたし伝えたよね?


「わたし、言ったよね?」


そう言うことも、実はよくある。


人間は、なかなか人の言うことを聞かない。
理由は、人それぞれだと思うが、まぁ結果として、人の言うことを聞かないことが多い。


そりゃ、その人の人生だからそれで結構だが、
中には、すでに自分だけではどうしようもなくなってる状態の時に、わたしからアドバイスを受けても、言うことを聞かないパターンが、過去にもたくさんあった。

もう5年くらい前になるだろうか。
それは、ある知り合いの子どものことで、問題が浮上していると、情報が入ってきた。

わたしは当時、その保護者と距離の近い付き合いがあった。本人は何も言わないので、それとなく聞いた。
すると、「実は・・・」と話してくれた。

わたしは、それに対して、「今だからできること」をアドバイスした。
かなり具体的なアドバイスで、子どもがどう振る舞えば良いか、それをすれば事態は悪化しないと、絶対の自信があった。(視えていたたから。)

その人は、「わかった。」と言い、その日は別れた。

しばらくして、また、別のところから情報が入る。
共通の知り合いが、心配をして、わたしに現状を話してくれた。
事態はかなり悪化して、深刻化していた。

わたしが、最初にアドバイスしてから、半年が経とうとしていた。

おかしいな。と思ったわたしは、本人に連絡を取って、
「あのとき、わたしが言ったことは、実行したの?」
と聞いた。

すると、
「いや、実はやってない。」

「は?なんで?」

「いや、あのあと夫婦で話し合って…ーーー」

と、理由を話してくれたのだが、その内容は、
「自分ところは悪くない!」
という態度に翻っていたのだ。


「は?・・・」
この話は、悪い悪くないの話ではない。
どちらも思いがあって、どちらも誤解もしている。
その絡んだ紐を解くために、わたしは半年前にアドバイスしたのだ。

わたしは、続けて、
「それで?なんか解決したの?」

「いや。してない。してないどころが、もっと悪くなって・・・」


「はぁ?それで?今は、どうしてるの?」

「今は・・並行線というか、なんにもしてない。」


この無責任な発言に、わたしは語気を荒げる。

「はぁ?じゃあ子どもは?ほったらかし?テメーいい加減にしろよ!どんだけバカなん?
わたし、半年前に言ったよね?こうしろって。
そしたら悪化はしないからって。
でも、あんたたちが、勝手にしないと決めた。
決めたあと、どんどん悪化して。
そしたら、今は、そのことすら無視?
あんたらは良いよ。なんだかんだで当事者じゃねーからな!

あんたの子どもは当事者じゃん?
毎日、どんな気持ちで過ごしてるのか考えたことある?
どんな状況かくらい子どもはわかってるよ!
どんだけ子どものことをバカにしてんの?
それで、子どものこと守りたい?
ふざけんなよ!
あんたの今の現状が、子どもを守ることになってんの?自分の保身じゃねーか! 

子どもは毎日不安だよ!親にも聞けない、誰にも聞けない、大丈夫なフリして、この半年ずっと不安だよ!あんたが、子どもならそれで平気なのかよ!いい加減にしろよ!

子どもは、親の背中を見てるんだよ!
あんたらが、こんなふうに解決しようとしないなら、あんたの子どもに、将来、子どもができた時、どうなる?
『トラブルを起こすな!』
と、自分の子どもに言うような子育てになるんだよ!
だって、自分の親が助けてくれなかったから!
トラブルになったら誰も助けてはくれない。
だから、その通りの思考になるのは当たり前だろ!

トラブルを起こすのが悪いんじゃねーんだよ!
トラブルが起きたあと、どう解決するのか?
そこに、人間性のすべてが詰まってんだよ!
解決できれば、失敗なんか怖くねーんだよ!
解決できないバカだから、失敗が怖いんだよ!

何十年と生きてきて、まだそのレベルで逃げて、それを子どもに見せるのかよ!」


これで、子育てしてますじゃねーんだよ!バーカ!
とまでは言わなかったが、言うべきことは言った。


本人が、涙で震える声で、最後の言い訳をしたので、

「自分に解決する能力がねーくせに、わたしのアドバイスを勝手に捨ててんじゃねー!」

と、一蹴した。

もう、時間がない。このままでは、最悪な結果も起きる。

わたしは、本人に、
①今日、帰ってからすること。
②明日、すること。
③そのあとに、すること。
を、具体的に伝えた。

その通りに、実行した。
わたしもわたしで、できる限り水面下で動いた。

もちろん、夫婦でももう一度、話合わせた。
本人が動く中で、たくさんの周りの人たちが心配していたことにも、気づいていった。

その子どもとも、素直に正直に話ができたようで、子どもからも、
「不安だった。」「怖かった。」
という言葉を聞いたという。

それから、約半年後に、事態は収束した。
しかも、急展開な奇跡も起こり、当事者家族も、平穏な生活に戻ることができたのだ。



こんなようなことが、
わたしの人生の中では、当たり前のように起こってきた。


目の前の問題は解決したいけど、自分は何もしません。みたいな状態って、どういう心境なのか。

自分が動かずに、神頼みでもしてんのか?
それとも、
しょうもない自責の念で、頭の中をいっぱいにしてんのか?

どちらにせよ、そもそも解決する気があるのか?

それで、「子どものため」とか「子どもを守る」とか、無責任な理想だけは平気で言うのは、一体何なのか?


疑問だらけだ。


ちなみに、この話で、わたしが最初にアドバイスした通りにやってれば、1週間で解決してた。
(まぁ、たらればの話になるけど。)



行動しないということは、時間も無駄にしてしまう。


だから、覚悟が必要なのだと、わたしはずっと伝えているのだ。